2014年3月1日土曜日

Gear Ratio

ここ何年かで、ベイトリールの急速なハイギア化が進んだ。

もちろん、否定するつもりは無い。
否定するつもりは無いのだが、渓流での使用においては本当に必要なのだろうか?

前の職業のお陰で(元釣具屋です。)、主要メーカーのリールはほぼ触ってきた。
自分でも使ってみないとお客様に説明できないし説得力も無いので、売れ筋リールや気になった物は自腹で購入して使ってもみた。アフターパーツも散々組み込んだりもした。
何年かおきで訪れるベイトリールで軽量ルアーを投げよう!!というブームにのって、その当時の最先端リールにアフターパーツを組み込んで5g前後のルアーを投げて遊んでいた事もあった。

機械の進化は目覚ましく、ここ何年かで本当に1gから投げる事のできるリールや、1gを投げる事が出来る様になるアフターパーツ等が開発されだして、渓流でのベイトリールの使用が段々定着しはじめた。

ここまでは良かった。だが、ハイギアリールの渓流での使用に関しては疑問が多々残る。
バス狙いでハイギアのリールを使用する事に依存は無い。適材適所で使用すればいいと思う。遠くのピンポイントだけを狙う様な釣りをするのなら、ハイギアのメリットは計り知れないと思う。

だが、渓流で本当にハイギアは必要なのだろうか?

こんな疑問が湧いてくるのは、僕の釣り方のせいかも知れない。

僕は元々フライからトラウトを始めている。
フライにもいろいろな釣り方があって、ドライフライと言って浮かぶフライを使う、ルアーでいうトップの様な釣り方や、ウエットフライという沈めて釣るフライを使う釣り方等がある。

元々、バスのトップもしていたので、最初は魚がフライに出るのが丸見えなドライフライの釣りばかりしていた。ただ、この辺り(関西圏です)の川では、ライズを探して釣りをするのは難しく、いるかもしれない箇所に手当たり次第フライを落としていく、いわゆる叩き上がりの釣りになってしまう。なんとなく、それがあんまり面白くなくて、次第にソフトハックルというドライフライの様に浮かべても使えて、水に馴染ませると沈めても使え、なんとなく虫っぽくもあれば、引っ張ってルアー的な使い方もできるという便利なウエットフライの一種であるフライでの釣りばかりする様になった。

もちろん、ルアーの様な重さはないので沈めようと思うと喰い波という魚の付き場であろう川底に流れ込んでいく流れに馴染ませてやらないと、ソフトハックルは沈んでいってくれない。なので、魚が付いているであろうポイントのレーンのかなり先の方にフライを落として、流し込んでいく釣り方が自然に身についた。
もちろんフライだから、虫の様にも見せられるので流すだけでも釣れたりするのだが、魚がいるであろうポイント近辺で誘いをいれてやると(ルアーでのトゥイッチです)良く魚がでた。
本来はウエットフライの釣り方はクロスもしくはダウンクロスでやるものなのだが、僕はアップクロスでの釣りでも、この釣り方をしていた。

僕のルアーでの釣り方は、ほぼこのソフトハックルの釣りと同じである。
魚がいるであろうレーンの先の方へルアーをキャストして、まずいるであろうレンジまでルアーを沈めていく。そして魚がいるであろうポイントの近辺まで誘いのアクションを入れながら探っていくのだ。よりネチネチ探りたい時のみ連続でルアーにヒラ打ちを打たせ、できるだけ遅く流れてくるようにトゥイッチを入れ続けたりもする。
もちろん、他の釣り方もするがほぼこの釣り方をしている事が多い。

こういう釣り方をしていると、ハイギアのリールは早く巻けすぎて使えないのだ。
あまりにも巻くのが早いものだから、ルアーが無駄に引っ張られて糸ふけをだしてのトゥイッチがとてもやりにくいのだ。
実際に同じリールでギア比の違う機種を用意して、どちらが快適か釣り比べてみたこともあった。結果は圧倒的に普通ギアの方が僕は使いやすかった。

もちろん、ハイギアリールも流れが早い所で使うのにはメリットもあるかもしれない。でも、僕的にはそれはメリットに感じることはできなかった。普通のギア比のリールなら少し急いで巻けば、充分に流れに負けない速さで巻くこともできるし、逆に使いやすかった。さすがに古いリールの、あまりにも遅いギア比のリールは使いにくいが、今現在発売されている普通のギア比のリールなら問題無く使えるはずだ。

もし皆さんがこれからリールを選ぶとしたら、自分の釣りのスタイルも含めてよく考えてからギア比を選んでほしい。なんとなく渓流だからハイギアの方がいいと思い込んで、使っている人がとても多い様な気がしている。


今、メインで使用しているのがコンクエスト51。特別、早いギア比では無いが、とても快適に使っている。


今日の作業中のBGM

ビル・エヴァンスのエレピが堪能できる一枚。僕は結構好きです。

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