2014年3月11日火曜日

Drag

皆さんは、いつもどのくらいの強さでドラグ調整をされているだろう?

よく言われている、強めにトゥイッチングした時に少し「ジッ!!」と、ドラグが鳴るくらいだろうか?それとも、もっと強めだろうか?
海で釣る訳では無いので、ドラグチェツカー等は使う方はおられないだろう。

ここで僕が釣具屋時代に、これから釣りを始められるお客様にお教えしていた機械を使わない標準的なドラグ調整方法を書いておこう。

1、まずロッドにラインを通す。

2、使用ルアーを結ぶ。(調整するのに持つ為なので、別にルアーでなくても可)

3、とりあえず、リールからラインを引っ張り出してみて軽く出る位にドラグを調整する。

4、ロッドとラインの角度が9 0度になるように、両手でそれぞれグリップとルアーを持つ。

5、ルアーを9 0度の角度を保ったままで引っ張っていくと、最初はロッドが少し曲がったら直ぐにドラグが滑りだす状態になっている筈だ。(必ず9 0度を保った状態で調整して下さい。90度より鋭角にするとティップが折れる原因になります。たまに手元方向にラインをクイクイと軽く引っ張ったら折れてしまったと言って、持ってこられる初心者のお客様がいらっしゃいました。当然です。ロッドはそんな方向に曲がる様には作られていません。ロッドはラインとの角度が9 0度の状態で最大の強さを発揮出来る様に設計されています。)

6、ルアーを引っ張って、ロッドがもう曲がらない所まで曲がってから初めてドラグがでる様にドラグノブを少しずつ締めて調整する。これで調整終了。

このロッドが曲がらなくなるまで曲がってから~というのがミソだ。
この方法で調整すれば、簡単にロッドのおいしい部分を使い切ってから初めてドラグがでる様に調整できる。魚に対しても一番有効にプレッシャーをかける事が出来るし、ロッドにもリールにも優しい調整方法だ。

僕も普段はこの方法で調整していた。

でも、その時は違ったのだ。

良く晴れた日の釣行だった。
その日は日本海側の大きい岩魚の釣れる川で釣りを(テストを)していた。

その時点までもそこそこ魚の反応はあったのだが、天気が良すぎるせいもあってかなかなかヒットに繋げる事が出来ずにいた。

「う~ん、、、レンジが違うかな、、、」

ルアーをチェンジする為に、ルアーを回収してドラグを緩めてラインを少し出してルアーをもう少し下のレンジを探れるルアーに交換した。
そして、良さげな落ち込みのあるポイントでの1投目。

「コンッ!!」

案の定、レンジが違った様で1投目で反応があった。
ハンドルを巻く。
しかし、巻いても魚の手応えが感じられない。

「あれ?かかってないのか?」

尚も巻きとるが、何か違和感がある。

「あれ?もしかしてドラグ締め忘れてる?バカだね~俺、、、」

魚も掛かっていないだろうと思って、違和感を感じつつもそのままルアーを回収しようと思って足元までルアーを巻き取ってきて、僕は度肝を抜かれた。

尺オーバーの岩魚が、悠然とルアーを咥えて泳いでいるではないか! 岩魚の方もやっと僕に気付いた様で急に暴れだした。慌てて、しっかりテンションが抜けない様にラインを巻き取り、ドラグを締めてゆっくりとネットインした。

手元には、ネットインした35cm位の岩魚が厳つい顔をして横たわっている。。

「何だったんだ?今の?」

魚はどんな魚でもそうだが、釣られた時に違和感を感じれば感じる程、強く抵抗する。なのでグラファイトロッドの様な高弾性のロッド程、魚は抵抗する。
竹竿であれば、竿先が魚に追従して良く動くので魚はあまり抵抗せずに浮いてくる。

この時は、ルアーチェンジの時にドラグを締め忘れた為、魚が引っ張れば引っ張った分だけラインが出る様なテンションの状態になっていた様だ。ベイトリールを使用しているのでドラグがでても音が鳴らないので気付かず(それぐらいドラグが緩んでいた)ルアーを回収しようと僕は巻き取っていた。そのせいで尺オーバーの岩魚は、引っ張っても抵抗が無いに等しかったので、自分が釣られているのかどうかも判断できず僕の方に寄せられてきた所、いきなり僕が現れて驚いて抵抗したという事らしい。

元々、竹竿を使用しているので無理なやり取りさえしなければ魚はあまり暴れずに浮いてくる。しかし、この時の異質な感覚は全く違う感覚だった。





この経験から僕はドラグをかなり緩めに調整する様になった。軽くトゥイッチングした時に少しラインが出る位に調整している。これだけ緩めに調整してもPEラインを使用しているので問題無くルアーを動かせる。当たりがあった時は、スプールを親指で押さえてフッキングする様にしている。(ベイトリールを使用しているからこそ出来る芸当ですが。。)流石に障害物の多い所ではドラグを少し締めるが、それ以外は出来るだけ緩める様にしている。

もし、この話に興味があれば、1度試してみてほしい。
(魚がバレても責任は持ちませんが、、、(笑))


今日の作業中のBGM

単音弾きで押しまくる黒いギターが心地いいグラント・グリーンのブルーノート初リーダー作です。かっこいいですよ〜。

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