2014年3月31日月曜日

User's Report(14/3/31釣行分)

久しぶりの更新です。申し訳ございません。

前回のブログで書いていた通り、ホームページのリニューアルに掛り切りになっておりました。もう少しでアップ出来ますのでお楽しみに!
今回は画像を沢山使ってできるだけ見やすく作ったつもりです。ホームページが終わったらブログも引っ越す予定ですので、それが終わったら通常通りの更新間隔に戻すつもりでおります。もう少しお待ちください。

今回はユーザー様からの釣行レポートが届きましたので掲載させて頂きます。

当メーカーのテスターもお願いさせてもらっている京都のO谷さんからの投稿です。
この方、某メーカーのルアーが大好きで、某メーカーの投稿欄でもデカイ魚が何回もアップされていたりしていますので、ご存知の方もいらっしゃるかも知れません。
今回は、本来は九頭竜にサクラを狙いに行くはずが、天候と水量の加減で急遽、近場の支流に入る事になった為、当メーカーの竿の出番となった様です。
使用感も書いて下さっていますので、ご参考までに。。。



近場の谷の様子を手にしたばかりの大天魚OALS-505を持って見に行ってきました。

まだまだ春の息吹を感じ始めたばかりの流れに今シーズンの第1投。


大天魚の有り余るロッドパワーはキャストでも有効で、2g台の軽量ミノーから現在主流のヘビーシンキングミノーまで同じ力で軽く飛ばす事が可能でした。


これはアキュラシー面でもアドバンテージとなり、一瞬キャストが上手くなったと思える程。

肝心の魚は小さいながらも数匹のアマゴと出会う事が出来、今年も渓流シーズンの幕開けを感じることができました。







カーボンロッドから持ち替えた人には意外なほど、大天魚は感度もいいので、小さな当たりも積極的に合わせていけますね。



何でも出来る人っていうのはいるもんで、写真もとてもお上手です。
ホームページ作成で煮詰まっている中、とても嬉しい投稿でした。O谷さん、また、宜しくお願いしますね〜(笑)


今日の作業中のBGM

ド定番中のド定番です。名前は知らなくても絶対に知っている曲が入っています。(笑)
HP作成中で煮詰まっている間は、あまり激しいのは聞きたくなくて優しい気持ちになれるこのアルバムを聞いています。ジャズ初心者の方なら必ず聞いてほしい一枚です。



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2014年3月26日水曜日

Efficiency

効率化。

いつも頭の片隅にある考え事。

どうすれば、ロッドの質を落とさずにより効率よく作ることが出来るか?

このロッドの質を落とさずにというのが、難しい。
逆に言えばロッドの質を落としてもいいのなら製作効率を上げるのは簡単なのだ。

例えば

多少のテーパーの狂いは気にしない。
ロッドの表面が凸凹でも気にしない。
ロッドが多少曲がっていても気にならない。等、、、

こんな竿でもいいのなら、効率を上げるのは簡単だ。単純に工程を減らせばいいのだ。

逆に

ほんの少しのテーパーの狂いも許さない。
ほんの少しのロッドの表面の荒れも許さない。
ロッドのほんの少しの曲がりも許さない。等、、、

こんな竿がいいから苦労している。

なぜ、わざわざ難しいのに効率化を考えるのか?
ゆっくり丁寧に作ればいいではないか?という意見もあると思う。

僕はこの ”効率化” を考えるかどうかがプロとアマの違いだと考える。
まだまだ駆け出しの僕が偉そうな事を言える立場では無いが、そう思う。

アマチュアで良いのなら(販売を考えないのであれば)ゆっくり丁寧に作ればいい。
好きなだけ時間をかけて作り込めばいいのだ。
自己満足の為に作っているのだから。

プロであろうと考えだすとそうはいかなくなる。
僕はメーカーを立ち上げる時に ”効率化” をいつも考え続ける事を自分に課した。

メーカーを立ち上げるまでは、ずっといかに良い竿を作るかだけを考えていた。
工程が倍になろうと竿が良くなるのであれば構わなかった。
そうやって作り込んでいく事によって、自分の中で一定のレベル以上の竿を作る事が出来る製作工程という物が出来上がった。

メーカーを立ち上げてからは、この製作工程をどうやったら効率化できるかを常に考えながら竿を作っている。
デモロッドやテストロッドを作る度に、違う工程を試してみたり違う材料を試してみたりしながら効率化する事を考えている。

楽をする為だけに考えている訳ではない。効率化を図る事によって少しでも価格を安くしてより多くの人に僕の竿を使って頂く為だ。

何度も書いているが、魚香竿のメインコンセプトは「笑顔」だ。
魚香竿を取り巻く僕を含めて全ての人の「笑顔」の為に、僕は竿を作っている。
その為に、”効率化”というのは絶対に必要な要素なのだ。

4月からの消費税アップに向けて、ずっと消費税のアップ分以上の効率化を図れないかと、いろいろ考えてきた。
今回は工作機械の導入と、ロッドの仕上げの変更でなんとか消費税のアップ分以上の効率化を図る事ができた。正確な金額は今行っているホームページのリニューアルが終わったらお知らせするが、全てのモデルの価格を8%の消費税込み金額が現在の5%の消費税込み金額より安くする事が出来る様になった。
微々たる金額ではあるのだが、僕としてはいつも効率化を考え続けて出せた結果なので概ね満足している。

これからもより良いロッドを出来るだけ買いやすい金額にする為に、効率化を考え続けていこうと考えている。


追記
本文でも書きましたが、只今ホームページをリニューアル中です。もう少し分かりやすくする為に作り込んでいます。できるだけロッド製作とホームページのリニューアルに専念する為に、暫くの間は当ブログの更新期間をいつもの1日おきではなく不定期とさせて頂きます。申し訳ございません。


今日の作業中のBGM

ウェスの沢山あるアルバムの中でも特にお気に入りなのがこの一枚。オルガントリオ編成なので毛嫌いする方もいらっしゃるが僕は逆にそこが気に入っている。オススメ。

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2014年3月21日金曜日

Fishing for the first time this season (2)

今年、新たにルアーボックスに増えたのは、3種類。

1種類目は、前から興味はあったのだが自分の店で扱えなかった為に使用していなかった「エゴイスト」さんの「リーフ」。
実はエゴイストのビルダーの大嶋さんにはTwitterで知り合ってから、何かとお世話になっている。お話させて頂いている内に、「この人の作るルアーは、いったいどんなルアーなんだろう?」と、とても興味があったのだ。

2種類目は、「イトウクラフト」さんの「ボウイ」。
このルアーは、テスターをお願いしているOさんのお気に入りのルアーだ。
去年、一緒に釣行した際に、このルアーでよく釣っておられたので僕も試しに購入してみた。

3種類目は「アングラーズリパブリック」さんの「ベアトリス」。
元々、アンリパさんのルアーは好きで良く使っているのだが、ミルドレッドのジョイントモデルが、とても調子が良かったので、こちらも興味があった。

まずは「リーフ」から投げてみる。
自重は3gちょっとという事で、大天魚でも全く問題無くキャストできる。問題無い所か、これが本当に3gちょっとしか無いのか?と思う位、よく飛ぶ。「リーフ」の名前通り、木の葉の様に扁平したボディ形状のお陰なのか、以外と深いレンジを探る事もできる。特筆すべきは、やはりヒラ打ちだろう。かなり細かくヒラを打たせる事が出来るので、小さいボディにも関わらず、結構アピール度は高い。使い勝手も良いので、かなり活躍してくれそうだ。

次は「ボウイ」。
このルアーに関しては、去年動きを見せて貰っていたので期待通りの動きをしてくれた。自重も4gあるので、かなりオールマイティに使用する事が出来る。
ベイトで使うバルサルアーに丁度良い感じである。

そして「ベアトリス」
ジョイントルアーに関しては賛否両論ある様だが、流し込んでいくだけで本気でアタックしてくる大きい個体を何度も見ているので、僕的には外せないルアーである。投げてみた所、扁平ボディのジョイントモデルという事もあってか、このルアーもかなり細かくヒラを打たせる事が出来る。ただ、やはり流し込んで使う使い方の方がジョイントが生きてくる様な気はする。

前者2種類のバルサルアーがとても投げていて気持ちが良く、これ以降ストップフィッシングまで、ほぼこの2種類を投げていた(笑)

ルアーのテストも終了したので、今度はリールを変えてみる。
イベント用に外からブレーキ調整出来るタイプのリールが必要になって購入したT3airだ。
このリールに関しては、ハンドル以外はどノーマルのままだ。店をやっていた頃に何度か触った事はあったのだが、その時はボディの大きさが気になって購入するには至らなかった。

リールを交換して数投キャストしてみたが、特に問題無く使用する事ができそうだ。
ただ、これは僕のリールの持ち方のせいもあるのだが、キャストした直後にクラッチレバーに触れてしまいクラッチが返ってしまう事が何回かあった。
僕はリールを持ち変えるのが嫌で、かなり深く握りこんだままキャストする。通常であればサミングがしにくいはずなのだが、僕の親指の第一関節が逆側にもほぼ90度近く曲がるので親指の腹で問題無くサミングできてしまう。コンクエストの場合はボディ上部を抑えこんでキャストしているので、その感覚でキャストするとT3の場合はクラッチレバーに当たってしまうのだ。トリガーに人差し指だけを掛けて握る通常の持ち方であれば、何ら問題は無いと思われる。ただ、僕と同じように2本以上掛けて握る持ち方をしている方は、少し気を付けなければいけないかもしれない。
キャストフィールに関しては、全く問題なし。マグネットブレーキを効きすぎる位、効かせる事が出来るので、まだベイトに慣れていない方にはとても良いリールだと思う。





やはり先行者の為か、反応があまり無いので急ぎ足でこの区間の最初の大場所へ向かう。
対岸に大きな岩が有り、結構な深みのある淵に大きな木が倒れているという、かなりおいしいポイントだ。
大きな岩の下にできた隙間に、ベイトならではの低い弾道のキャストでルアーを打ち込んでいく。もちろん、先行者も丁寧に攻めている事は想像がつくので攻めきれていないであろう箇所を丁寧に探っていく。

岩の下の奥の奥にキャストが決まった次の瞬間、リーフに重みが乗った。
ただ、直ぐにかなり可愛いサイズだというのが解ったので、グリグリ巻いてフックを摘んでそのままリリース。(本当に可愛い天魚でした(笑))

釣れたので、そのままリーフを各色使用して探っていたのだが、底ベタベタを探るのにボウイに変えて数投目。木の下辺りから魚が出てきてルアーを追うのが見えた。
食い気満々という感じでは無く、警戒しながらも追ってきている感じだ。
こういう魚に対して変に間を開けてしまうと完全に追わなくなってしまうので、間髪入れずにキャストを繰り返す。

2投目。追ってはくるがダメ。

3投目。かなり近くまで追ってきたが途中で深みに戻ってしまう。

4投目。しっかり沈ませてトゥイッチした瞬間、グンッと魚の重みを感じ手首を返す。

「よし!乗った。」

クンクンと小気味いい引きを味わいながら、竹竿ならではの粘りで危なげなくネットイン。
サイズは一匹目よりは大きくて16〜7cmといった所。
いつもならそのままリリースするサイズだが今シーズン初めての釣行という事と、HPの為に写真を撮ってリリース。

サイズは今ひとつだったが、しっかり狙って捕れたので充分に楽しめた。
ここでもベイトの利点(素早い手返しによるキャスト回数の増加)が生かされた。スピニングで釣りをしていたら4投目のヒットは無かったかも知れない。(まぁ、上手な方ならそれまでに食わせてるんでしょうが。。(苦笑))

充分、楽しんだので帰ろうかとも思ったが、もう少しサイズアップを狙って釣り上がる。
だが、やはり先行者の方が丁寧に釣りをされた様であまり反応は無い。時計を見ると丁度2時になっていた。子供が小学校から帰ってくるまでに帰るつもりだったので、ここでストップフィッシング。

川から林道に上がり、久しぶりの川と山の匂いを満喫しながら帰路に着いた。





今日の作業中のBGM

最近のアンソニー・ジャクソンとのトリオも好きだけど、この頃のトリオ(トリオと言いながらプラス1だけど)も好きだなぁ。。。プログレっぽくて面白い。オススメです。


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2014年3月19日水曜日

Fishing for the first time this season (1)

解禁釣行。

皆さんは、とっくに済まされただろうか?
それとも、まだ行けていない?

僕は、あの解禁時のお祭りの様な雰囲気が苦手で、解禁日は家で大人しくする事にしている。小さい店だったがー応釣具店の店長だったので、お客さんに会うのも照れ臭いので、そうしている。

今年も例年通りに、解禁から2週間と少し経った17日に解禁釣行に行く事ができた。(本当はその前にー度行ったのだが雪と雨のせいで釣りが出来ず、諦めて年券だけ購入して帰ってきていた。)

僕がホームリバ-にしている川は、車で一番近いポイントまでなら約20分位で行く事が出来る位の近所の川だ。そこそこ川幅もあり、僕の足でも(事故で足を悪くしたので右足にあまり力が入りません。なのであまり険しい川には入れません)楽に遡行出来る位の川なのだが、京都からも市内から40~50分前後で行ける人気のある川なので、先行者がいない事は稀にしか無い。

この日は、朝、子供を保育園に送り、一度家に戻って少し作業をしてからの釣行だったので、家を出たのが10時半頃。近くのコンビニで遅めの朝食にパンとコーヒーを買い、食べながら川に向かって着いたのが1 1時頃。

こんな時間からの釣行なので、勿論、先行者がいる事は覚悟をしての釣行だ。
この釣行は、ロッドテストとリニューアル予定のHP用の写真と動画を撮影する為の釣行でもある。

漁協の方から、今年は僕が好んで入渓する区間に全く放流していない事は確認していたのだが、元々、成魚放流された魚にはあまり興味が無いので、構わずいつもの区間に入った。

久しぶりに足を通すウェーダーと、ウェーディングブーツの足を締め付ける感覚が心地いい。
川を眺めてみると大分、水は落ちついてきてはいるが、まだまだいつもの平水状態と比べると水量は多い。あまり日の当たらない所には、まだまだ雪が残っている為、水温も低めだ。


天気も良く、暖かい日だった。


この日は、大天魚(ロッドのシリーズ名です)での釣行。
いつもの仕上げ方と少し違う仕上げ方にしたので、その辺りをチェックしながらの釣りだ。リールは、まずはお気に入りのコンクエスト51をセットした。

先ずは、この日のポイントを探る為、丁寧に万遍なくキャストしていく。
久しぶりの釣行。いきなりバルサルアーは少し怖いので(笑)、プラのHWのルアーを次々とポイントに流し込んでいく。

こういう絨毯爆撃的な釣りをする時、本当にベイトは調子がいい。
同じ区間をスピニングでキャストしていくのと比べると半分とまでは言わないが、かなり早く探る事ができる。

去年の大水のせいで、地形が大幅に変わってしまっている為、良かったポイントが何も無くなっていたり、何も無かったポイントが良さげなポイントになっていたりしたので、いつもにもまして、丁寧に探っていく。

そして入渓してすぐの2級ポイントで、この日の1匹目はヒットした。

キャストして少し沈め、ゆっくりとしたテンポでトゥイッチングしながら流し込んでいき、少し大きめの石の上辺りにルアーが差し掛かった時、下から食い上げてきた。
ヒットした瞬間に可愛いサイズなのはすぐに解ったので(笑)、慌てずゆっくり寄せてきて、手を水に付けて冷やしてから手の平に天魚をのせた。
14~15cmといった所だろうか。久しぶりの生命感を手の平に感じ、少し眺めてから優しくリリースした。

HPの事もあるので写真を撮ろうかとも思ったが、少し驚いた様な天魚の目を見ているとそんな気も失せてしまい、今シーズン1匹目は心の中でシャッターを切った。
元気に泳いでいく天魚を眺め乍ら、心地よい充足感に浸る。

今年も川に帰ってきた。

今年は、どんな魚と出会えるだろう?

少しの間、ボーッとしながらそんな事を考えていたが、気持ちを切り替えて次のポイントを攻めていく。

2級ポイントから魚がでた事で勘付いてはいたが、少し行った所で先行者の足跡を見つけた。まぁ、覚悟はしていたので気にせず釣り上って行く事にした。

先行者がいる事は確認できたので1級ボイントは軽くチェックするだけにして、どんどん釣り上る。

少しずつキャストにも安定感が出てきたので、ここで今シーズン初めて投入するルアーの泳ぎとキャストのしやすさを確認してみる事にした。

(続く)

少し文章が長くなりそうなのと、風邪を引いてしまったので早めに寝る為に2回に分ける事にします。次回は明後日更新します。


今日の作業中のBGM

ビル・エヴァンストリオの最後のベーシスト、マーク・ジョンソンのリーダーアルバム。
大好きなギタリストのジョンスコが参加しているので買ったのだが、いろんなジャンルの曲が入っていてとても面白いアルバムです。

Second Sight: Touchstones Series (Dig)
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2014年3月17日月曜日

Lure or Fly ?

トラウトをルアーで釣るか? フライで釣るか?




僕のブログを読んで下さっている方は、どちらかといえばルアーの方が多いと思うのだが、フライに関してどういう風に思われているのだろうか?

僕がまだ釣具屋をやっている時にお客様からお聞きした意見でもっとも多かったのが、「興味はあるけど誰も教えてくれないし、難しそう。」という意見。

他には「ルアーだけでも手一杯なのに、フライなんか出来ない。」、「フライの道具って高そうだし。。。」、「小難しそうだから嫌。」等。。。

逆にフライをやっておられる方からルアーの方に対しての意見で良く聞いたのは、
「ルアー1個にあの値段を出すのは、、、フライなら自分で作れるしねぇ。。」とか、
「フライでさえ見切るのに、ルアーなんかで釣れるの?」等、、、

少数意見では「ルアーなんか投げたら誰でも釣れるんでしょ?」なんて意見も。。。

いろんな方から意見をお聞きしてきたが、殆どの方の意見において共通している事が一つ。。。

それは「お互いの釣りを知らない。もしくはお互いの釣りを見た事が無い。(渓流で)」
という事。

お互いの釣りをよく知らないのに、想像だけで否定する。もしくは敬遠する。
お互いの釣りを見た事が無いのに、想像だけで否定する。もしくは敬遠する。

どちらもやる僕としては、とても残念な事だと思っていた。

誤解を解く為に、フライの方と一緒に行ってルアーの釣りを見せてみたり、逆にルアーしかやらない方に、フライのキャスティングを見せたりした時に、殆どの方に見られる反応が、「結構、面白そうですね。。」という反応。

元々、どちらの釣りをされている方も釣りが好きな方ばかり。
やってみたり、見せてもらったりすれば興味がでるに決まっているのだ。

中には、おかしなプライドが邪魔をしてやってもいない釣り方を馬鹿にしてみたり、頑なに拒んでいる方もいらっしゃる様だが、とても残念なことだと思う。

どちらかの釣りをあまり良くご存知でない方の為に、簡単に特徴を説明してみたい。

まずはルアーから。

メリット

○アピール度がフライに比べて抜群に高いので、魚のサーチ能力がとても高い。
○単純にキャストが楽しい。
○フライに比べてキャスト回数が大幅に多いので、一日で探れる区間がとても長くなる。距離を探れる事によって釣果も上がる事が多い。
○大型魚が釣れる事が多い。(アピール度の為だと思います。ただしフライで大型魚が釣れないという事ではありません)
○比較的、簡単に始める事ができる。(奥もとてつもなく深いですが。。(笑))

デメリット

○アピール度が高い為、すぐにポイントが潰れる。(エキスパートの方であれば、同じポイントで粘る事も可能にはなりますが、それでもフライに比べればポイントが釣れなくなるのは早いと思います。)
○ライズしている魚に対して、手も足も出ない事がある。
○ルアーが高価な為(ピンキリですが、、)ロストするとお財布に優しくない。
○水面上よりも水面下の方がメインステージとなる。(これは一部の人以外はデメリットにはならないかも知れませんね。)
○小型魚は釣れにくい。(腕にもよると思いますが。。(笑))
○文献の少なさ

次にフライ。

メリット

○エキスパートになればなる程、同じポイントで粘る事が出来る。
○こちらもルアー同様、キャストが楽しい。
○ライズしている魚を狙う事が出来る。(僕はフライに関してはライズ狙いが一番楽しいと思っています。)
○エキスパートになれば、場を荒らす事なく、静かに釣りができる。
○シーズン初めから水面上で釣りができる。
○関連書籍の多さ

デメリット

○ブラインドの釣り方は苦手。
○釣りができる様になるまでのハードルの高さ(ただし、この考え方はここまで読んで頂いた方には分かると思いますが、ちゃんとわかっている人に教えてもらう事が出来ればそんなに難しい事はありません。)
○一日で探れる距離が短い。
○ルアーに比べて、大型魚に狙いを絞るのが少し難しい。
○水面下の釣りは苦手。

他にもあると思うが、大体こんな感じだ。


その日の釣りに合わせて、ルアーで釣るのか?フライで釣るのかを決めるのも楽しいと思う。ぜひ、フライ、ルアーどちらもやってみる事をオススメしたい。


今日の作業中のBGM

どちらも大好きなギタリスト。ただ、残念ですがジム・ホールさんは去年の年末にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り致します。あの優しいギタートーンはもう聴けないと思うと残念で仕方がありません。。。


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2014年3月15日土曜日

" Milling Machine "

ミーリングマシン。

バンブーロッド製作に使用する機械工具の中でも、特に高価なのがこの機械。

バンブーロッド製作において、機械工具の使用率はあまり高くない。
僕がハンドプレーニング(手削りの事です。)で製作しているからというのが大きな理由でもあるのだが、、、

魚香竿でのバンブーロッドの製作過程において使用する機械工具は、

ヒートガン(ドライヤーの親分みたいな工具です。竹が焦げるぐらいの熱風がでます。僕はリョービ製の温度調節の出来る物を使用しています。)

グラインダー(竹の小割りの裏面を削るのと、ガイドの足を滑らかに削るのに使用します。)

ミーリングマシン(竹の小割りを正三角形に削る機械。今回、紹介する機械工具です。)

オーブン(僕はヒートガンを使用するタイプのオーブンを使用しています。温度が上がるのに時間はかかりますが、安定した温度で焼入れする事が出来る優れ物です。)

ルーター(中空加工に使用します。どうやって使用するかは、またブログで書くかも知れません。。書かないかも知れませんが(笑))

木工旋盤(グリップの成形等に使用します。)

機械工具らしい機械工具と言えば、せいぜいこれくらいしか使用していない。オーブンなんかは、機械工具と呼べるかはちょっと怪しいが。。。
これ以外の物は、鉋やのこぎりといった手工具のみだ。バンブーロッド製作というのが、いかに手を動かして作っているかが解って頂けると思う。

ミーリングマシン以外の工具もあまり馴染みの無い物だとは思うが、やはり一番見慣れない(多分、見た事も無い人が殆どだと思います。)機械工具がミーリングマシンだろう。

僕も最近、導入したばかりだ。
作り始めてすぐにも買おうかどうしようか悩んだのだが、鉋での削りの精度を上げる為にあえて購入しなかった。6年程、バンブーロッドを削り続けて、ある程度以上の削りの精度が出せるようになったのと、ロッドメーカーを立ち上げるのを良いタイミングと判断してメーカー立ち上げと同時に購入に踏み切った。

どんな機械かは、説明しても想像が付きにくいと思うので、例によって動画を作ってみたので(笑)、ご覧になって頂ければどんな機械かが解って頂けると思う。

という訳で、これです。



まだ、あまり慣れないので作業が丁寧すぎますが、
使用方法はこんな感じです。


だいたい、どんな機械か解っていただけただろうか?

導入前と比べると、圧倒的に作業時間の効率化が図れた。

今までは、まず鉋の刃を砥いで(一本のロッドに12本の竹の小割りを使用するので、12本を削るのに必要な刃の枚数分、砥ぎます)ラフ用(荒削り用)プレーニングフォームを設定数値に調整(削る竹の小割りの仕上がりの幅の調整です)して、一本ずつ手で削っていた。(少し前にYoutubeにアップロードしていますので、チェックしてみて下さい)

ミーリングマシンを使用すると、鉋の砥ぎも必要ないし、調整はノブをクルクル回すだけ。右から左に小割りを通せば出来上がりだ。これで作業時間が短縮されない訳が無い(笑)

作業の効率化というのは、価格にも影響してくるので、いつも頭の中で考えている。
作業内容で効率化が図れるのは稀だが、ミーリングマシンに関してはお金さえ払えば効率化が図れる珍しい例だ。満を持して導入して良かったと喜んでいる。

これで、少し価格の改定が行えるかな?


今日の作業中のBGM

ブライトリバーの松本さんがブログでこの人の " Oliver's Twist " という曲を紹介されていたのを見て、一発で気に入ってしまった。ナイロン弦のギターの音が、めちゃめちゃかっこいい。最近のお気に入りです。オススメ。

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2014年3月13日木曜日

Vest or Bag ?

あなたはベスト派? それともバッグ派?

僕はどちらも使う。
どちらも使うのだが、ちょっと一癖あるベストやバッグが好きだ。

僕はフライもやるので、ルアーオンリーの方よりは細かい荷物が多くなる事が多い。
元々、整理魔なので(笑)システマチックに収納できていないと使う気がしない。

僕が今、気に入って使っているのがこの2枚のベストと


左がフィッシュポンドのベスト。右はフィルソンの物。


この2個のバッグ。


左がパタゴニアのバッグ。右はサー・エドワーズというメーカーのバッグ。

簡単に紹介してみようと思う。

トラウトを始めた頃はバッグしか使っていなかった。ベストは嫌いだったのだ。

理由は亡くなった父親だ。
僕の父親は僕が子供の頃は、植木職人だった。
職人さんは仕事着にベストを着る。うちの父親ももちろん愛用していた。
それも、仕事の時だけでなく普段でも(笑)
おかげで「ベスト=おっちゃんの着る物」という公式が頭に刷り込まれてしまったのだ。
なので、どうしても普通のデザインのベストは着る気がしなかった。(嫌、、、過去形じゃないな。。。今でもあまり着る気はしない(苦笑))

しかし、カメラを趣味にする様になったりで荷物がどんどん増えたせいで、今まで使っていたバッグでは荷物が入りきらなくなってきていた。いや、入ることは入るのだが整理がつかなくなってきていたのだ。

それまで、一番気に入って使っていたトラディショナルなタイプのバッグでは、細かい道具を探すのが一苦労する様になってきていた。その前に使っていたC&Fのフィッシングバッグは仕切りがとても多く使いやすかったのだが、デザインがイマイチピンとこなかった。(あくまで個人的な感想です)

なので、仕方なしにベストをネットで探していて見つけたのがフィルソンのベストだった。これなら見た目的にもベストっぽくないし、そこそこ以上に荷物も入る。だが、カタログを眺めていると横に載っていたチェストバックの方が気になってきた。ベストに抵抗感もあるので、まずはチェストバックを買って試してみた。

結果は僕的には失敗だった。
体の前に(しかも真ん中に)飛び出すバックがあると、釣りがしにくいのだ。しかも、足元も見えにくくなる。足元だけでなく手元まで見えにくかった。結局数回使っただけで売ってしまった。(もちろん好みもあると思います。)

で、結局ベストを購入した。こちらはとても使いやすかった。思っていたより荷物も入るし、見た目もかっこいい。2010年に購入して使い倒してきたのでヨレヨレになってしまったが、まだまだ使えそうだ。

フィルソンを気に入って使っていたのだが、いつもいつも荷物が多い訳ではない。近所の川へ行く時などは、最小限の荷物で行きたい事もある。何かいいのはないかな〜と探していた時に発売されたのがパタゴニアのフィッシング用アトムだった。
見た目はちょっとハイテクっぽいのだが、とても使い易い。必要最小限のルアーやフライだけを持っていくのなら充分な容量もあるし、何より体へのフィット感がとても良い。これも気に入って使っている。

最近、ウェアラブルカメラなんかも使う用になったので、より荷物が増えた。さすがにフィルソンでも入らないくらいの荷物の量になってきたので、前に買って持っていたフィッシュポンドをルアー用にして使う事にした。確か、フィルソンを買った少し後に買ったと思うのだが、収納量が多すぎて殆ど使わないまま置いてあったのだ。
見た目通り、恐ろしいくらい収納ポケットがあるので何でも入る。調子に乗って入れ過ぎると恐ろしく重くなるので、程々に収納してある。見た目的にも普通のベストっぽくないし、ジャガード織りのベルト通しなんかもついていて結構おしゃれだと思うのだが。。。
一応、今年のメインはこれでいこうと思っている。

フィルソンはフライ用にして、パタゴニアはお気軽釣行用にするつもりだ。サー・エドワーズはお留守番かな(笑)

シーズン前に整理して、こんな感じで落ち着いていたのだが、最近シムスのフィッシングバッグの新作がちょっと気になってきた。。。どうしようもないですね(笑)


今日の作業中のBGM

ギター、オルガン、ドラムのトリオで何か良いアルバムはないか?と、探していて見つけた一枚。パットの太い音のギターでの高速フレーズとジョーイのオルガンが絡み合って、とても気持ちいいアルバム。オススメ!!


Live at Yoshi's
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2014年3月11日火曜日

Drag

皆さんは、いつもどのくらいの強さでドラグ調整をされているだろう?

よく言われている、強めにトゥイッチングした時に少し「ジッ!!」と、ドラグが鳴るくらいだろうか?それとも、もっと強めだろうか?
海で釣る訳では無いので、ドラグチェツカー等は使う方はおられないだろう。

ここで僕が釣具屋時代に、これから釣りを始められるお客様にお教えしていた機械を使わない標準的なドラグ調整方法を書いておこう。

1、まずロッドにラインを通す。

2、使用ルアーを結ぶ。(調整するのに持つ為なので、別にルアーでなくても可)

3、とりあえず、リールからラインを引っ張り出してみて軽く出る位にドラグを調整する。

4、ロッドとラインの角度が9 0度になるように、両手でそれぞれグリップとルアーを持つ。

5、ルアーを9 0度の角度を保ったままで引っ張っていくと、最初はロッドが少し曲がったら直ぐにドラグが滑りだす状態になっている筈だ。(必ず9 0度を保った状態で調整して下さい。90度より鋭角にするとティップが折れる原因になります。たまに手元方向にラインをクイクイと軽く引っ張ったら折れてしまったと言って、持ってこられる初心者のお客様がいらっしゃいました。当然です。ロッドはそんな方向に曲がる様には作られていません。ロッドはラインとの角度が9 0度の状態で最大の強さを発揮出来る様に設計されています。)

6、ルアーを引っ張って、ロッドがもう曲がらない所まで曲がってから初めてドラグがでる様にドラグノブを少しずつ締めて調整する。これで調整終了。

このロッドが曲がらなくなるまで曲がってから~というのがミソだ。
この方法で調整すれば、簡単にロッドのおいしい部分を使い切ってから初めてドラグがでる様に調整できる。魚に対しても一番有効にプレッシャーをかける事が出来るし、ロッドにもリールにも優しい調整方法だ。

僕も普段はこの方法で調整していた。

でも、その時は違ったのだ。

良く晴れた日の釣行だった。
その日は日本海側の大きい岩魚の釣れる川で釣りを(テストを)していた。

その時点までもそこそこ魚の反応はあったのだが、天気が良すぎるせいもあってかなかなかヒットに繋げる事が出来ずにいた。

「う~ん、、、レンジが違うかな、、、」

ルアーをチェンジする為に、ルアーを回収してドラグを緩めてラインを少し出してルアーをもう少し下のレンジを探れるルアーに交換した。
そして、良さげな落ち込みのあるポイントでの1投目。

「コンッ!!」

案の定、レンジが違った様で1投目で反応があった。
ハンドルを巻く。
しかし、巻いても魚の手応えが感じられない。

「あれ?かかってないのか?」

尚も巻きとるが、何か違和感がある。

「あれ?もしかしてドラグ締め忘れてる?バカだね~俺、、、」

魚も掛かっていないだろうと思って、違和感を感じつつもそのままルアーを回収しようと思って足元までルアーを巻き取ってきて、僕は度肝を抜かれた。

尺オーバーの岩魚が、悠然とルアーを咥えて泳いでいるではないか! 岩魚の方もやっと僕に気付いた様で急に暴れだした。慌てて、しっかりテンションが抜けない様にラインを巻き取り、ドラグを締めてゆっくりとネットインした。

手元には、ネットインした35cm位の岩魚が厳つい顔をして横たわっている。。

「何だったんだ?今の?」

魚はどんな魚でもそうだが、釣られた時に違和感を感じれば感じる程、強く抵抗する。なのでグラファイトロッドの様な高弾性のロッド程、魚は抵抗する。
竹竿であれば、竿先が魚に追従して良く動くので魚はあまり抵抗せずに浮いてくる。

この時は、ルアーチェンジの時にドラグを締め忘れた為、魚が引っ張れば引っ張った分だけラインが出る様なテンションの状態になっていた様だ。ベイトリールを使用しているのでドラグがでても音が鳴らないので気付かず(それぐらいドラグが緩んでいた)ルアーを回収しようと僕は巻き取っていた。そのせいで尺オーバーの岩魚は、引っ張っても抵抗が無いに等しかったので、自分が釣られているのかどうかも判断できず僕の方に寄せられてきた所、いきなり僕が現れて驚いて抵抗したという事らしい。

元々、竹竿を使用しているので無理なやり取りさえしなければ魚はあまり暴れずに浮いてくる。しかし、この時の異質な感覚は全く違う感覚だった。





この経験から僕はドラグをかなり緩めに調整する様になった。軽くトゥイッチングした時に少しラインが出る位に調整している。これだけ緩めに調整してもPEラインを使用しているので問題無くルアーを動かせる。当たりがあった時は、スプールを親指で押さえてフッキングする様にしている。(ベイトリールを使用しているからこそ出来る芸当ですが。。)流石に障害物の多い所ではドラグを少し締めるが、それ以外は出来るだけ緩める様にしている。

もし、この話に興味があれば、1度試してみてほしい。
(魚がバレても責任は持ちませんが、、、(笑))


今日の作業中のBGM

単音弾きで押しまくる黒いギターが心地いいグラント・グリーンのブルーノート初リーダー作です。かっこいいですよ〜。

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2014年3月9日日曜日

Bible

”ご注意” 今回の投稿には僕が事故に遭った時の経緯等も書いています。血生臭い話の嫌いな方には読むことをオススメ致しません。大丈夫だという方だけお読み下さい。


僕がロッドビルダーになると決心するきっかけになった本。



何度も何度も読んだせいで角がボロボロになってしまった。


僕がバンブーロッドを作り始める前の年。
釣具屋を初めて3年目。
釣り好きが高じて、それまでやっていたコンビニを止めて始めた店。
でも、好きだけじゃどうにもならない事もあると、いろいろ考え始めていたある日。

出勤前に、どうしても行きたい所があって知らない道を250ccのスクーターで走っていた。元々、ずっとバイクが好きで長年乗っていたし、サーキットに走りに行ったりもしていたので運転には少しばかり自信があった。(これがいけなかったのかも知れません。。)
道が混んでいて、殆ど止まりそうなスピードだったので、足を出しながらバスの隣を走っていた。

”ガンッ!!”

何がおこったのか、全く分からなかった。
なぜか、僕は道路に横たわっていた。
足がズキズキする。
見てみると僕の右足はありえない方向に脛の中間から曲がっていた。
血がどんどん出てきて水たまりのようになっている。

とりあえず、ヘルメットを脱ぎ捨て気持ち悪い方向に曲がっている足を自分で真っ直ぐにした。(人間、極限状態になると何をするか解りません。僕は元に戻してどうしたかったんでしょうね?(苦笑))
どうやら、真横から車に突っ込まれたらしい。
足を出していたので、車のバンパーとバイクの車体に挟まれたせいで足がこんな事になった様だ。

後から聞いた所、バスが前が混んできたので、対向車線の右折待ちの車を行かせようとして止まったらしい。その為、僕だけが飛び出した形になった所に、右折車が急いで右折しようとして真横から僕に追突したんだそうだ。

僕は救急車で近くの病院に運ばれ、なんとか助かった。
ただ、この時点では足がどうなるか解らないと言われていた。ジーパンのおかげで外からは足がどうなっているのか見えなかったのだが、結構凄いことになっていたらしい。
(おかげさまで、今はちゃんと痛いながらも歩けるし、釣りにも行けています。)

最初の1〜2週間は痛みもあったので、ボーッとしていた。
何も考える気がしなかった。何もできなくなるんじゃないかと思っていた。
本心で笑う事なんて、とてもじゃないけどできなかった。

でも、毎日見舞いに来る1歳になったばかりの息子の笑顔と、嫁さんの心配そうな顔を見ていて、「このままじゃダメだ。」と思った。

こんな足になってしまって、ずっと店は続けられない。
将来、どうするか? 自分はどうしたい?
釣りはできなくなるかもしれないけど、できれば釣りに関わって生きていきたい。
僕には何ができる? 僕は何がしたかった?

その時、思い出したのがこの本の事だった。

元々、物を作ることが好きだった。
小学生の頃からチョークを削って車を作ったり、流行っていたプラモデルを作ったりと、何かを作ることがとても好きな少年だった。
大人になっても作ったり改造したりが大好きで、乗っていたローバーミニのエンジンを腰上までバラしてみたり、バイクの改造も全部自分でやっていた。
釣りがメインの趣味になってからも、やっぱり作る事が好きでフライのタイイングが楽しくて、ずっとやっていた。

ある日、いつも呼んでいるフライの雑誌にこの本の宣伝が載っていた。
本体価格で5800円もする本だったが、何かピンとくるものがあって、直ぐに購入した。約700ページもあるこの本を、初めて読んだ時のあのワクワクした気持ちは今でも忘れていない。この本には、バンブーロッドに深く関わる人達の情熱や、自信や、意地等。。とりあえず、いろんな感情や情報がパンパンに詰め込まれていた。
僕は読むことを止められず、寝る間も惜しんでこの本を読みきった。
この時に、僕の中に「僕もこんな風に生きてみたい」という感情が芽生えていたんだと思う。

僕は嫁さんに頼んで、この本を病院に持ってきてもらった。
それから数カ月間の入院生活の間、何回もこの本を読んでいた。
繰り返し、繰り返し。
看護師さんに「また、その本読んでるんですか?」と、呆れられるぐらい、何回も読んでいた。(この本、重すぎるんでたまには他の本も読んではいましたが。。(笑))

おかげで、魚香竿のメインコンセプトが出来上がった。(僕のHPのコンセプトページに載っています。もし、良ければ読んでみてください。)

そして僕は退院する頃には、バンブーロッドビルダーになると決心していた。
この本はフライロッドのバンブーロッドに関する本なのに、なぜかルアー用のバンブーロッドをメインで作っているのが天邪鬼な自分らしいと思っている。(苦笑)
まだまだ、本当に続けられるのかも解らないが、一生かけてやっていきたいと思っている。

追記
インターネットで調べているとなかなか手には入りにくいようですが、まだなんとか買える様です。バンブーロッドに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。いろんな方の、いろんな考え方が書いてあって本当に面白い本です。書いてあること全てが正しいとは思いませんが、とても参考になる本です。


今日の作業中のBGM

上原ひろみグループで有名な6弦ベースを弾きまくるすんごい人(笑)のソロアルバム。ゲストメンバーもジョン・マクラフリンはじめ凄い人ばかりの聴きどころ満載のアルバムです。(評価は別れる様ですが、僕は好きです。)

エレヴェイション
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2014年3月7日金曜日

Bamboo Bait Rod

竹でルアー用のベイトロッドを作る。

初めてルアーロッドを竹で作ったのが2008年。(ルアーロッドというよりは、初めて作った六角竹竿がルアーロッドでした。トンキンケーンを使用したスピニングロッドですが。。今はテスターの方にお持ち頂いています。)

2本目に作ったのが真竹で作ったスピニングロッド。この竿もプレゼントしたので手元には無い。

そこからしばらくはフライロッドを作っていたのだが、やっぱりルアーロッドも作りたくなってまたスピニングロッドを製作しだしたのが、2010年。

そして2011年に、購入した五十鈴のリールを使いたいとか、持っていたアブを復活させたいとか、確かそんな理由で作り始めたベイトロッド。ただ、渓流というよりは中流域ぐらいで使う為に一本目のベイトロッドは設計していた。(僕のツイッターの過去のツイートを遡って見て頂ければ写真をアップしています。)



ツイッターにアップしていた写真です。


この頃ぐらいからバスの世界で本格的にベイトフィネスが流行しだした為(それまでも軽いルアーをベイトで投げようという動きはバス、トラウト共にあったのですが、リールもロッドもまだまだついていっていませんでした。その為、快適に投げれるのはせいぜい4〜5g程度以上の重さのルアーだったように記憶しています)、各メーカーからベイトフィネス用と謳ったリールが市販され始めた。
その頃は某釣具屋をやっていた為、ほぼ全てのベイトフィネスリールを触ったり、使う機会があったので、この頃にベイトでトラウトもいけるんじゃないかと思うようになる。

試しに軽いルアーが投げれると謳っていたシマノのリールを購入して、まずはそれまでに作っていたスピニングロッドをリメイクして渓流用のベイトロッドを作ってみた。
完成して、試しに使ってみたのだが何かしっくりこない。
ゆっくり投げる分には軽いルアーも投げれはするのだが、快適というには程遠い。
何度か実釣にも使ってみたのだが、やっぱりテストでキャストした時と同じ様な感想を抱いた。やはりスピニングのブランクスをベイトに転用するのは無理がある(リールの重心位置が違う為、曲がるポイントが変わってしまう為です。どうしてもグニャグニャした感触のロッドになりやすくなります。グラファイトロッド等は元々硬いので転用は可能ですが弾性が高い事が災いして、少しバックラッシュを起こしやすくなります。やはり専用に開発されたロッドがベストだと思います)と確信したので、ベイト用に1から設計し直す事にした。

それからはベイトロッドを作ることにのみ専念してきた。
ほぼスピニングもテストでのみ使うようになり、殆どの釣行はベイトロッドで行く様になった。幾通りものロッドのテーパーをテストして、これでベストと思えるテーパーが出来上がるまでに1年半以上かかったと思う。(もちろん現時点でのベストであって、もっともっと良くなる可能性はまだまだあると思うので、これからもテストは続けていきますが、、)

ロッドのテストだけでなく、市販されているリールに関しては釣具屋という立場を利用して(笑)ほぼ全て試してみた。その中でも使用感の良かった物や、見た目で気に入った物にはアフターパーツ(スプールやマグネットブレーキへの換装パーツ等)も組み込んでテストしてみた。
いろいろテストした結果、今はコンクエスト51にアフターパーツを組み込んだ物をメインに使用している。(あまりにも気に入っているので予備も持っています(笑))
サブにイベント等で使用するように、外からブレーキを調整できるT3 air(ハイギアじゃない方です。理由は以前のブログで書いた通り)も持っている。見た目とボディサイズ(大きい。。)は、あまり好きでは無いのだが性能はピカイチ。ほぼノーマルのまま使用できる。ハンドル長と純正ノブはしっくりこなかったので交換しているが。。(低価格帯のフィネスリールでもちゃんと使用できるものはあります。但し上位機種と比べてしまうと、本当に軽いルアーの投射性能はやはり落ちてしまいます。)

テストを重ねて理解した事やベイトロッドを竹で作る事のメリット等は、僕のHPで詳しく解説しているのでそちらを読んで頂きたい。

理屈はいろいろあるのだが、竹と渓流用ベイトロッドは最初に思っていた以上に本当に相性が良く、今では僕の作るロッドの中で皆さんにオススメできる一押しのロッドになった。当メーカーのテスターさんや、某釣具屋時代のお客様の方々に使用して頂き、使用された方からは、ほぼ太鼓判を頂いている。(中にはハマりすぎてご購入いただいた方も、約数名いらっしゃいます。。(笑))

ぜひ気軽に試投して頂きたい。必ず、言っている事が解ってもらえるはずだから。


追記
今回デモ用に製作した天魚、大天魚は今までの標準仕様と違う物を幾つか使用しています。(性能は今までの物と同等か、それ以上をキープしています。)これからのテスト結果によって、価格改定を行う予定です。(少しお求めやすくなります)
最近、導入した機械のおかげで製作時間の短縮も図れましたので、その分の時間工賃も考慮して金額は決定致します。4月までにご注文頂いた方には価格改定後の金額で注文をお受け致します。(4月以降は価格改定後の本体価格に8%の消費税を頂く形になってしまいます。高額商品となりますので消費税も馬鹿にできない金額です。購入をお考え頂いている方は、できるだけ早めのご注文をお願い致します)
正確な金額は、ホームページのリニューアル時(デザイン重視で制作した為、少し見にくいのでリニューアル致します。)に発表させて頂きます。
ご質問等あれば、Facebookページからメッセージを送って頂くか、HPのお問い合わせ欄からご質問下さい。


今日の作業中のBGM

最近のアルバムも好きなんですが、なんといってもジャコとの共演盤で初リーダーアルバムのこの一枚が一番好きかも知れません。オススメ。

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2014年3月5日水曜日

Taper Design

皆さんは、ロッドビルダーにとっての1番楽しい時間は、どんな時だと思いますか?
もちろん、ビルダーさんによって違うだろうし、僕にとってという話にはなるのですが、、、

竿が完成した時?
確かに楽しいです。

自分の竿で釣りをする時?
最初の頃はそうでした。今でも、勿論楽しいですが、、、

ユーザーさんがいい釣りをされた時?
これは、僕の中では楽しいというよりは、大前提です。「笑顔」が魚香竿のコンセプトですから、、、

ユーザーさんと釣りに行く時?
これもとても楽しいですが、どちらかというとビルダーとしてというよりは、釣人として楽しいと思ってしまいます。(苦笑)

ブログタイトルでオチが解っているのに、しつこいですね。(笑)

そうです。僕に限っての話ですが新しい竿のテーパーデザインを考えている時が、僕にとっては1番楽しい時間です。

皆さんは、バンブーロッドの1番の利点は何だと思われますか?

見た目?
確かにいいです。

竹の風情?
落ち着きますね(笑)

釣り味?
これもいいですね。

しつこいですね。(笑)

僕が考える1番の利点は、1本 1本テーパーデザインを変える事が出来るという事だと思っています。
これは、京都の某有名リールメーカーのO居さん(笑)も、全く同じことを先日お話させて頂いた時に、仰っていました。僕も全く同感です。



僕がバンブーロッドを作り始めた頃に集めていた手書きの
テーパーデータのファイルです。
ネットや書籍、実物からと、とりあえずいろんなテーパーを集めていました。
今でももちろん宝物です。



グラファイトやグラス素材でロッドをテーパーからデザインしようと思うと、よっぽど早い段階で思っていた通りのアクションがだせないと物凄くお金がかかります。勿論、ブランクス屋さんにも熟練の職人さんがいらっしゃいますし、上手く自分の思い描いているロッドアクションを言葉で伝える事が出来れば、早い段階で作り上げる事も可能かも知れません。
しかし、人に自分の思いを伝えるというのは、そんなに簡単な事ではありません。
竿作りに妥協はしたくないと考えているのなら尚更です。

しかし、バンブーロッドでなら自分で全て考えて作り上げる事が出来るのです。

ただし、テーパーデザインというのは、皆さんが思われている以上にとても難しい物です。
ほんの0.01mmでもブランクスの対面幅が変われば、アクションは大きく変わります。
そんなバカなと思われるかも知れませんが、事実なのだから仕方がありません。
テーパーの考え方にもコツみたいな物があって、何本も何本も失敗作を作る事によって解ってくる物だと思っています。

今はパソコン等である程度までは、どんなアクションになるかは解析する事が出来ます。(これも先達の職人さん達のお陰です。有難く使わせて頂いていますが、、)
しかし、1番重要なキャスト感や、ルアーアクションのしやすさ、魚のノリの良さや、釣り味、魚のバレにくさ等、実際に作って、使ってみて初めて解る事の方がとても多いのです。

いろんなタイプのテーパーデザインの竿を沢山作る事によって、段々、少しずつですが、このテーパーなら、こんな感じになるというのが、自分の中に蓄積されていきます。この段階を過ぎて初めてテーパーをデザインする事が楽しくなってきます。

今の僕は、やっと6年かけて、この段階に入れたかなと思える様になってきた所です。

僕の場合は前の職業のお陰もあって(元釣具屋です)、本当に沢山のロッドに触れる事が出来ました。バンブーロッドだけでは無く、これはと思ったグラファイトロッドやグラスロッドのテーパー等も研究する事が出来るという恵まれた環境にいたお陰で、何もデータをお持ちで無い方よりは、少しだけ近道が出来たかも知れません。

初めの頃に比べれば、とても早い段階で思い描いているアクションのテーパーデザインを考える事が出来る様になってきたので、今は新しいテーパーデザインを考える事が楽しくて仕方が無いのです。

まだまだ駆け出しのヒヨッコビルダー。
どんどん、いろんなタイプのテーパーデザインに挑戦していきますよ~!!
(勿論、テストには時間をかけますので、なかなか商品化には繋がらないかも知れませんが、、、(苦笑))

これからも応援の方、宜しくお願いいたします!!


今日の作業中のBGM

元ギター小僧としては、このアルバムは外せません。さすがに高校生の頃はあまり良さは解っていませんでしたが。。(笑)

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2014年3月3日月曜日

Treasure Chest

トラウティストにとっての宝箱とは何だろう?

フライマンであればフライボックスだろうし、
ルアーマンであればルアーボックスという事になるのだろう。

シーズンオフの間に、来るべき春を想像しながら用意をしたのではないだろうか?
好きな酒でも飲みながら雑誌やカタログと睨めっこして、「このルアーなら、あの川のあの淵を攻められるかも?」とか、「あいつ、このルアーで昨シーズンいい魚、釣ってたよなぁ、、、」等、楽しく悶々とした時間を過ごされた事と思う。(笑)

かくいう僕も今年は久しぶりに好きな様に用意が出来るとあって(去年までは釣具屋をやっていましたので、自分の店で扱っているルアーのみで釣りをしていました。何個か例外もありましたが(笑))、仕事の合間にインターネットで悶々としながら今年の1軍になってくれそうなルアーを探していた。お陰様で、数個の良さそうなルアーと巡り会えたので今シーズンの初釣行を楽しみにしている。

だが新しいルアーが増えたという事は、必然的に宝箱に入らないルアーがでてくる。
これが悩むのだ。

僕はどちらかといえば心配性なので(笑)、ルアーボックスを3個持っていく。
勝手知ったるホーム河川の場合は、流石に1個減らすが、それでも2個は持っていく。

まずは1軍ルアー用のウッドのルアーボックス。
ここには、本当に良く使用する実績のあるルアーと、これで釣りたい!!と思うルアーを入れている。一昨年はアレキサンドラのHWが大量に入っていた気がする(笑) こいつはベストのフロントポケットに入れている。

次に2軍ルアー用の皮のルアーワレット。
ここには1軍ボックスにはサイズ的に入らない大型ルアーと、実績が有りすぎてあまり使わなくなったルアー(良く釣れるのが解っているので、使ってもあまり面白くないのだが、釣れるのでボックスには入れておきたいルアー(笑))が入っている。
Dコンなんかが入ってます。異論は受け付けません(笑)
やっぱり、こいつもフロントポケットに入れている。

最後に予備ボックス。
釣れるのが解っているのだが、なんかズルい気がするのであまり使わないけど、持っておきたいルアー(この微妙な心理、解って頂けるだろうか?(笑))や、自作スピナー(ミノーは、流石に作りませんがスピナーは簡単なので良く作ります。良く釣れたのでお客様によくプレゼントしていました。)、1軍ルアーが壊れたり、最悪ロストしてしまった時の為の予備が入っている。
流石に使わない事が多いので、こいつは背中のバッグに入れている。

今年も悩みに悩んで、それぞれのボックスに何を入れるかを決めた。
もちろん悩んでいる時間は、とても楽しい時間でもあるのだが、、、




今年の僕の宝箱。
なんであれが入ってない?とか、
こんなの使ってんのとかは無しでお願いします(笑)



結局、釣行が終わってみれば1軍ボックスしか開けていなかった。なんて事も多々あったリするのだが、2軍ボックス(ワレット)に助けられた事も多々あって、ボックスの数は減らそうと思うのだが減らせずにいる。

皆さんは何個ぐらいの宝箱を釣行に持っていかれるのだろう?
お会いする事があれば、是非教えて頂きたい。

3月に入り、続々と彼方此方の河川が解禁となっている。
皆さんが用意された宝箱は、活躍していますか?



今日の作業中のBGM

グラント・グリーンが好きで、グラント・グリーンのギターを聴くつもりで買ったのにラリー・ヤングのオルガンにやられました(笑)このアルバムのおかげでジャズオルガンを聴く様になりました。


Talkin' About
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2014年3月1日土曜日

Gear Ratio

ここ何年かで、ベイトリールの急速なハイギア化が進んだ。

もちろん、否定するつもりは無い。
否定するつもりは無いのだが、渓流での使用においては本当に必要なのだろうか?

前の職業のお陰で(元釣具屋です。)、主要メーカーのリールはほぼ触ってきた。
自分でも使ってみないとお客様に説明できないし説得力も無いので、売れ筋リールや気になった物は自腹で購入して使ってもみた。アフターパーツも散々組み込んだりもした。
何年かおきで訪れるベイトリールで軽量ルアーを投げよう!!というブームにのって、その当時の最先端リールにアフターパーツを組み込んで5g前後のルアーを投げて遊んでいた事もあった。

機械の進化は目覚ましく、ここ何年かで本当に1gから投げる事のできるリールや、1gを投げる事が出来る様になるアフターパーツ等が開発されだして、渓流でのベイトリールの使用が段々定着しはじめた。

ここまでは良かった。だが、ハイギアリールの渓流での使用に関しては疑問が多々残る。
バス狙いでハイギアのリールを使用する事に依存は無い。適材適所で使用すればいいと思う。遠くのピンポイントだけを狙う様な釣りをするのなら、ハイギアのメリットは計り知れないと思う。

だが、渓流で本当にハイギアは必要なのだろうか?

こんな疑問が湧いてくるのは、僕の釣り方のせいかも知れない。

僕は元々フライからトラウトを始めている。
フライにもいろいろな釣り方があって、ドライフライと言って浮かぶフライを使う、ルアーでいうトップの様な釣り方や、ウエットフライという沈めて釣るフライを使う釣り方等がある。

元々、バスのトップもしていたので、最初は魚がフライに出るのが丸見えなドライフライの釣りばかりしていた。ただ、この辺り(関西圏です)の川では、ライズを探して釣りをするのは難しく、いるかもしれない箇所に手当たり次第フライを落としていく、いわゆる叩き上がりの釣りになってしまう。なんとなく、それがあんまり面白くなくて、次第にソフトハックルというドライフライの様に浮かべても使えて、水に馴染ませると沈めても使え、なんとなく虫っぽくもあれば、引っ張ってルアー的な使い方もできるという便利なウエットフライの一種であるフライでの釣りばかりする様になった。

もちろん、ルアーの様な重さはないので沈めようと思うと喰い波という魚の付き場であろう川底に流れ込んでいく流れに馴染ませてやらないと、ソフトハックルは沈んでいってくれない。なので、魚が付いているであろうポイントのレーンのかなり先の方にフライを落として、流し込んでいく釣り方が自然に身についた。
もちろんフライだから、虫の様にも見せられるので流すだけでも釣れたりするのだが、魚がいるであろうポイント近辺で誘いをいれてやると(ルアーでのトゥイッチです)良く魚がでた。
本来はウエットフライの釣り方はクロスもしくはダウンクロスでやるものなのだが、僕はアップクロスでの釣りでも、この釣り方をしていた。

僕のルアーでの釣り方は、ほぼこのソフトハックルの釣りと同じである。
魚がいるであろうレーンの先の方へルアーをキャストして、まずいるであろうレンジまでルアーを沈めていく。そして魚がいるであろうポイントの近辺まで誘いのアクションを入れながら探っていくのだ。よりネチネチ探りたい時のみ連続でルアーにヒラ打ちを打たせ、できるだけ遅く流れてくるようにトゥイッチを入れ続けたりもする。
もちろん、他の釣り方もするがほぼこの釣り方をしている事が多い。

こういう釣り方をしていると、ハイギアのリールは早く巻けすぎて使えないのだ。
あまりにも巻くのが早いものだから、ルアーが無駄に引っ張られて糸ふけをだしてのトゥイッチがとてもやりにくいのだ。
実際に同じリールでギア比の違う機種を用意して、どちらが快適か釣り比べてみたこともあった。結果は圧倒的に普通ギアの方が僕は使いやすかった。

もちろん、ハイギアリールも流れが早い所で使うのにはメリットもあるかもしれない。でも、僕的にはそれはメリットに感じることはできなかった。普通のギア比のリールなら少し急いで巻けば、充分に流れに負けない速さで巻くこともできるし、逆に使いやすかった。さすがに古いリールの、あまりにも遅いギア比のリールは使いにくいが、今現在発売されている普通のギア比のリールなら問題無く使えるはずだ。

もし皆さんがこれからリールを選ぶとしたら、自分の釣りのスタイルも含めてよく考えてからギア比を選んでほしい。なんとなく渓流だからハイギアの方がいいと思い込んで、使っている人がとても多い様な気がしている。


今、メインで使用しているのがコンクエスト51。特別、早いギア比では無いが、とても快適に使っている。


今日の作業中のBGM

ビル・エヴァンスのエレピが堪能できる一枚。僕は結構好きです。

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